7月 102018

ワーク・ライフ・シナジー賞受賞者インタビュー

「ワーク・ライフ・シナジー」とは、「仕事と生活の量的・時間的バランスを取る」という考え方から一歩進み、生活の充実が仕事の充実に繋がり、仕事の充実がより充実した豊かな生活に繋がる、つまり仕事と生活は共に相乗効果が発生する関係である、という考え方です。

中国地域初の女性ビジネスプランコンテストでも、暮らしに密接した、新たな社会的価値(イノベーション)を生み出す起業には、日常の活動から知見を広げワークに活かす、「ワーク・ライフ・シナジー」がより重要と考えこれに特化した賞を設けました。
起業女子応援ナビ@中国地域ネットワークでは、女性の働き方の可能性を広げる支援を続けています!

写真をクリックすると、受賞者お2人の起業家のインタビュー記事(PDF)が開きます。
1日のスケジュール、両立の工夫などを教えて頂きました。ぜひご覧ください。

AromaCouleur 代表 森 かおり さん Sweet Time 主宰 石川 さおり さん
http://aroma-c.jp/ https://ameblo.jp/happy-sweettime/
<ワーク・ライフ・シナジーへの取り組みについて>
表彰式では、ワークライフシナジー賞の審査にあたった専門家より、コメントを頂きました。ここに掲載いたします。

県立広島大学 経営専門職大学院 教授 木谷 宏 氏
第1回ビジネスプランコンテスト、ワークライフシナジー賞審査員長、審査員

「ワークライフバランス」という言葉は多くの方にとって耳に馴染みがあるものかと思いますが、「ワークライフシナジー」についてはご存じない方も多いでしょう。
「起業」には大きく3つのパターンがあります。

1つめは、今務めている組織を辞めて新規にビジネスを立ち上げるパターン。新たに店や会社を立ち上げるには覚悟も資金も必要で、評価されることではありますがリスクが大きいと言えるでしょう。

2つめは、最近注目されている企業の中での起業。
所謂「社内ベンチャー制度」を発展させた考え方ものです。
社内にいる素晴らしいアイデアをもつ人材にさらに活躍してもらうため、雇用側が起業を推奨する。これは今一度多くの企業が取りかかるべき課題だと考えられます。

3つめは所謂「副業」。
一つの仕事に従事しながら別のビジネスを始めるというものが一般的で、専業主婦が新たにビジネスを立ち上げるのもこれにあたります。

このたびのコンテストのファイナリストには、このパターンの方が多くいらっしゃいました。起業によってワークとライフが両立しにくくなるのではなく、ワークがライフをより豊かにしていく効果が「ワークライフシナジー」です。

豊かなライフを送ってきた人がその経験を活かす、あるいは前職や子どもを産む前、専業主婦になる前の企業経験を起業に結びつけるという考え方もこれにあたります。

ワークとライフは対立するのではなく、相互に作用するものであり、起業はどちらも豊かにするものだと考えます。

ワークとライフがともに豊かになることにによって、女性も男性も起業が身近になっていく。

そんな社会を理想として見据え、今回の受賞者を選定しました。

株式会社 Woman’s  宮崎 結花 氏
第1回ビジネスプランコンテスト審査員

ワークライフシナジーは、ワークとライフのバランスを取るだけではなく、双方が影響し合ってポジティブな効果を得るという考え方です。

今回ワークライフシナジー賞を受賞されたお二人は、ご自身の経験に向き合い、転機を乗り越えたことに自ら意味づけをし、経験に価値を見出している点が素晴らしいと思います。

森さんは子育てのストレスをアロマで癒やした体験を、石川さんは出産祝いのお返しにアイシングクッキーを作った喜びを誰かに伝えようとし、それが原動力になっています。そこには並々ならぬ勇気や覚悟が必要だったことでしょう。

ビジネスを始めるだけでなく、自身の見つけた「やるべきこと」によって家庭という環境に働きかけ、周囲の人の固定概念を変え、理解を促進し新しいサポート体制を構築するという結果も生み出しています。

ライフの中の気付きをワークに繋げ、付加価値を生み出す、これこそがワークライフシナジーの効果といえるでしょう。

お二人以外にも素晴らしい取り組みをされている人は、候補者の中にたくさんいらっしゃいました。

その努力、情熱、ポジティブな意味での頑なさ、
ひたむきさ、強さは皆評価できるもの。

今後も皆さんのご活躍を期待しています。